偽アドレスを使った巧妙な仮想通貨詐欺が発生　バイナンスCEOが警告

　　Ana Paula Pereira

　　2023年08月03日 15:45

　　偽アドレスを使った巧妙な仮想通貨詐欺が発生 バイナンスCEOが警告

　　バイナンスのチャンポン・ジャオCEO（通称CZ）は、仮想通貨コミュニティを狙った巧妙な詐欺について警告した。この詐欺では、偽のウォレットアドレスがユーザーを騙すために使用される。

　　詐欺師側は、ユーザーのオリジナルアドレスと開始と終了の文字が同じアドレスを生成する。ミラーリングされたアドレスが生成されると、詐欺師は被害者の取引履歴に反映されるダスト・トランザクションを送信する。被害者が正規のアドレスに送信したい場合、このダスト・トランザクションのアドレスをコピペしてしまうと、資金が詐欺師に送られることになる。

　　CZ氏によると、経験豊富な仮想通貨オペレーターがこの詐欺の被害に遭い、2000万ドル（約28.7億円）相当の仮想通貨をダストアドレスに送ってしまったという。オペレーターは取引直後にエラーに気づき、詐欺師の手に渡る前にバイナンスにテザー（USDT）を凍結するよう依頼したという。

　　この詐欺は、イーサリアムネームサービスなどのブロックチェーンドメインを使用することで回避できる。ブロックチェーンドメインは、文字と数字の長い文字列ではなく、通常の単語を使用してウォレットを識別できる電子メールアドレスのようなものだ。バイナンスのユーザーは、プラットフォームを通じてドメインを購入することができる。

　　バイナンスからの迅速な対応により、ユーザーは大きなセキュリティインシデントを回避できたが、他の被害者はそうはいかなかった。

　　CZ氏のスレッドに返信した別のユーザーは、同様の詐欺で2万ドルのUSDTをダストアドレスに送ったと報告した。しかし、取引から20分以内にバイナンスのサポートチームに連絡したにもかかわらず、資金を凍結する選択肢は提供されなかった。約12時間後、被害者の資金は仮想通貨ミキサーに移され、回収の可能性は失われてしまったという。

　　コインベースのユーザーも同様のセキュリティインシデントを報告している。被害者は、同社のサービスやアプリケーションに関連する詐欺やフィッシング攻撃があったと言い、その中には詐欺師が仮想通貨取引所のドメイン名を使用してユーザーにコンタクトしている場合もあったという。