Visa、仮想通貨ウォレットから自動支払いできる計画を構想

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　　決済大手のVisaは、セルフカストディ型のウォレットから電気代や電話代を自動で支払うことができるようになることを構想している。

　　Visaの仮想通貨ソートリーダーシップチームは20日のブログ投稿で、プロバイダーがユーザーのイーサリアム対応ウォレットから、ユーザーが取引のたびに手動でサインオフしなくても、自動的に資金を「引き出せる」ソリューションを提案した。

　　従来の銀行では、定期的な請求に対する自動支払いは一般的で、ユーザーは、Netflixの購読料や毎月の電話料金などの請求書を支払うために、特定のサービスプロバイダーが自分の選んだ銀行口座から引き落とすことを許可できる。

　　このような仕組みは、セルフカストディ型ウォレットの所有者には不可能だとVisaは述べ、定期的にユーザーのアカウントから支払いを引き出す自動プログラムの支払いには、「エンジニアリング作業が必要」と指摘する。

　　これは、セルフカストディ型ウォレットでは、秘密鍵を管理しているのはユーザーだけであり、「スマート・コントラクトが単独で取引を開始することはできない」ため、ユーザーが手動で取引にサインオフする必要があることを意味している。

　　Visaは仮想通貨を介した自動定期支払いは、「Account Abstraction」（AA）のコンセプトに基づく「delegable accounts」という新しいタイプのセルフカストディ型ウォレットによって可能になるだろうと述べた。

　　「Account Abstraction」は、イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏が2015年に提唱したコンセプトで、イーサリアムベースのウォレットとスマートコントラクトを1つのアカウントにまとめることができるなどのユースケースを実現する。

　　AAベースのセルフカストディ型ウォレットまたはdelegable accountsを通じて、Visaチームは、ユーザー・アカウントが「スマート・コントラクトのように機能する」、つまり、人々が各取引を開始するためにサインオフしなくても取引をスケジュールできるようになるとしている。

　　「このアプリケーションは、ユーザーが毎回ユーザーの積極的な参加を必要とせずに、定期的に1つのセルフカストディ型ウォレットアカウントから別のアカウントに自動的に資金をプッシュできるプログラムを設定できる」と投稿に書かれている。

　　AA has many potential use cases, especially on how the user experience on a digital wallet may be substantially enhanced with more flexibility embedded into user account to function more like smart contract.

　　— Catherine Gu (@catgu_) December 19, 2022

　　自動支払いは、取引所などに管理されているウォレットを介して比較的容易に統合できる。しかし、ユーザーが自分の資金が取引所などによって適切に管理されることを信頼しなければならないことを意味する。

　　これは、特にFTXやボイジャーデジタル、ブロックファイなどの大手企業が破綻したことを考慮するとリスクもあるだろう。

　　この投稿では、AAが長年にわたって複数のイーサリアム改善提案の一部として提案されてきたものの、最終的には実装が困難なため成立していないことも強調された。これは、多くのプロトコルの変更と、「セキュリティの保証を満たす必要がある」ことが要因だ。

　　Visaチームは、ネットワークがAAをサポートしているため、レイヤー2スケーリングソリューションのStarkNetからのプライベートチェーン上で委任可能なアカウントをすでに成功させたと述べている。

　　VisaチームがStarkNetsの「アカウントモデル」内で委任可能なアカウントを実装できたことから、自動決済はそう遠くないと投稿は結論付けている。