米総額110兆円規模のインフラ投資法案が可決され、ブロックチェーン業界にもたらす影響は？

　　CNBCの報道によると、アメリカ大統領ジョー・バイデン（Joe Biden）氏が本日、110兆円規模インフラ投資・雇用法案に署名した。資金は5年以内に割り当てられるため、多くのプロジェクトは数ヶ月または数年以後にまた開始できるそうである。ブロックチェーン業界が日ごろから重要視している暗号資産ブローカーの定義は改訂されていない。

　　この法案で、暗号通貨を扱う企業に対する規則はより厳しくなり、「ブローカー」の定義が拡大された。1万米ドル以上の暗号資産取引はアメリカ合衆国内国歳入庁に報告する必要があることを規定している。報告要件は、2024年に発効する予定である。

　　数ヶ月前、一部の参議院議員は、暗号資産税の申告要件を明確するために、法案の修正を提案したが、これは承認されていない。

　　連邦参議院議員のパット・トゥーミー（Pat Toomey）は参議院が法案を可決したとき、この法案を「高すぎるし広すぎる。そして革新的な暗号通貨経済への脅威が大きすぎる」と批判した。彼は、暗号資産税の報告要件は「実行不可能」かもしれないと指摘した。

　　上院議員ロン・ワイデン（Ron Wyden ）とシンシア・ルミス（Cynthia Lummis）は報告要件の内容を改訂するための努力を続けているようだ。彼らは「ブロックチェーン技術とウォレットを開発する個人が報告要件に適用されない」という改訂法案を提出した。この改訂法案が既に可決された法案に影響を与えるかどうかは不明である。

　　公認会計士・税務戦略責任者のシェハン・チャンドラセケラ（Shehan Chandrasekera）は、この規制は暗号通貨の投資家に影響を与えると指摘した。

　　米内国歳入法第6045条の規定によると、「ブローカー」の定義に該当する者は、顧客の名称、社会保障番号、及びその他の関連情報を記載したフォーム 1099をアメリカ合衆国内国歳入庁（IRS）に提出し、取引ごとの総収益を申告する義務がある。しかし、顧客の暗号資産は第三者プラットフォームで購入された場合、「ブローカー」はその暗号資産の購入価格がわからず、顧客の総収益が計算できない。

　　さらに、シェハン・チャンドラセケラは「第6045条の規定によると、1万米ドル以上の取引を行う顧客は個人情報を提出しなければならない。例えば、60,000米ドル相当のビットコインでテスラ自動車を購入した時、自動車ディーラーはIRSに報告するために、顧客の名前、住所、社会保障番号などの個人情報を収集しなければならない。」と述べた。

　　一方、非営利団体のCoinCenterは、この監視要件を「実行不可能、間違いなく違憲だ」と訴えている。

　　これらの規制は2024年1月から発効する見込みだ。その間、暗号通貨業界のロビイストは、これらの規制を調整するために、改訂或いは個別法案を推進する予定である。

　　この法案が可決された影響かもしれないが、本日は暗号資産市場全体が下落傾向になっている。

　　ビットコイン（BTC）：61576米ドル、-6.2％

　　イーサリアム（ETH）：4348米ドル、-7.3％

　　（執筆時点）

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