米国政府はハッカーに対する取り締まりを強化

　　昨今、米国政府はハッカー組織に対する取り締まりを強化している。米司法省は、ハッキングに関連する身代金の610万米ドルを没収し、告発されたハッカーを逮捕したと発表した。 また米財務省は、暗号通貨取引所Chatexに対する制裁措置を発表した。

　　暗号通貨犯罪を抑制することを目的とした一連の法整備は、今年5月に発生した米国のパイプライン会社：コロニアル・パイプライン（Colonial Pipeline）へのサイバー攻撃が原因だと考えられる。コロニアル・パイプラインのデータはハッカーに暗号化され、データを元に戻すための情報と引き換えにビットコインの身代金を要求された。

　　コロニアル・パイプラインがランサムウェア攻撃に遭遇した後、米司法省はランサムウェア攻撃の調査をテロ調査と同様の優先レベルに引き上げた。

　　米国政府が発表した制裁の一つは、財務省から暗号通貨取引所Chatexに対する制裁措置である。財務省は、取引所Chatexが処理した取引の半分以上は、ランサムウェアを通じて得られた身代金であると認定した。Chatexは、ロシアの暗号通貨取引所SUEX OTCにつぎ、ここ数か月で米国政府によってブラックリストに登録された2番目の取引所になった。

　　財務副大臣ウォーリー・アデヤモ（Wally Adeyamo）はインタビューで「Chatexのような取引所は、米国管轄下のすべての資産が凍結されることを意味する。すべてのアメリカ人はこれらの取引所を利用することを許可されておらず、またすべての米国国内の暗号通貨取引所はこれらの取引所との取引を禁じている」と述べた。

　　米財務省は、「ランサムウェアに身代金を要求されたすべての企業と組織は規制当局に連絡し、詳しい状況を説明してほしい」という通知を発表した。これにより、規制当局の従業員は違法行為者に対して必要な措置を講じ、犯罪行為に対する調査を今まで以上の規模で展開すると思われる。

　　米国国務省は11月4日に、「ハッカー組織DarkSideのリーダーに関する情報を提供できるインフォーマントに最大1,000万米ドルの懸賞金を与える」と発表した。さらに、米国国務省は、DarkSideが発動したランサムウェア攻撃に関与する犯罪者の個人情報を提供する人に500万米ドルを支払うことを承諾している。

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