米連邦準備制度理事会　デジタル・ドルの「詳細計画」発表準備へ

　　ウォール・ストリート・ジャーナル（Wall Street Journal：WSJ）の報道によると、米国連邦準備制度理事会（Federal Reserve）が、中央銀行デジタル通貨（Central Bank Digital Currency：CBDC）の発行に関するリスクとメリットの検討を早ければ今週中に開始する予定。

　　デジタル・ドル・プロジェクトを支持する人々は、デジタル・ドル・プロジェクトが国際取引を活発にし、銀行口座を持たない人々も対象になるため、政府の金融支援もより広範に行き渡りやすくなる。

　　多くの国々が自国のCBDCプロジェクトの取り組みを強化している。米国が先頭に立つと予想されていたが、米国がプロジェクトをためらっている間に中国がデジタル人民元（e-CNY）プロジェクトで大きな前進を遂げた。

　　これについて、米連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル（Jerome Powell）議長は、「早くやるよりも正しくやることが重要だ、米ドルが国際市場で果たす役割や影響を考慮し、米国のCBDCのメリットをじっくり検討している」と述べている。

　　一方、7月末に米連邦準備制度理事会のラエル・ブレイナード（Lael Brainard）理事は「他の主要国・地域がデジタル通貨発行に向けてプロジェクトを進めている中、米国がしないのは理解できない」と述べた。デジタル人民元の先行への危機感から、米ドルの基軸通貨の地位を守るためにデジタル・ドルの実現が急務だと強調している。米連邦準備制度理事会の執行部内でCBDCに対する意見はなお割れている。

　　米連邦準備制度理事会の決定によって金融業界の常識が一変する可能性もある。

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